梅雨から夏にかけての時期は、気温・湿度ともに上昇し、細菌による食中毒が増えてくる季節です。
食中毒を起こさないために、家庭でできる食中毒予防のポイントをご紹介します。
食中毒を起こしやすい季節はいつ?
梅雨から夏にかけての季節になると、食中毒への注意が呼びかけられますが、1年間の中で食中毒はどれくらい発生しているのでしょうか?厚生労働省の統計資料(参照:食中毒統計資料) によると、令和元年の食中毒は1,061件(患者:13,018人)と報告されています。
令和元年(1~12月)に発生した食中毒の発生原因は、約4割が細菌、約5割がウイルスでした。その他の原因には、寄生虫、化学物質、自然毒などあります。主な発生原因である細菌やウィルスによる食中毒を起こさないようにする感染予防の対策が重要です。
月別発生状況グラフ(参照:農林水産省HPより)
月別発生状況のグラフをみてみると、梅雨時期(5月~6月)と夏(7月~9月)は高温多湿の環境のため、細菌が増えやすい時期となり、細菌性の食中毒の発生件数が増えています。
冬(12月~3月)は、ノロウイルスなどのウイルス性の食中毒の発生が見られます。また、春や秋には、他の時期に比べて、自然毒による食中毒が多く発生しています。
統計をみると、食中毒は年間を通して一定の件数発生しており、いつ起こすかわからない!といえます。季節によって増えてくる食中毒の発生原因は違いますが、日頃から食中毒の予防を心がけることが大切です。
家庭でできる食中毒予防6つのポイントをチェック!
実はご家庭での食事にも食中毒のリスクは潜んでいます。集団食中毒に比べ、発見が遅れることも多く、重症化したり、死亡したりするケースも少なくありません。
家庭でできる6つのポイントをチェックして、日頃の食事作りで注意したいポイントを確認しておきましょう。
家庭でできる食中毒予防6つのポイント←ダウンロードはこちらをクリック
ポイント① ~買い物~
□消費期限内に使い切れる量を購入
□肉と魚はビニール袋に分けて包む
□寄り道せずにまっすぐ帰る(保冷管理ができる状態にする)
ポイント② ~保存~
□帰ったらすぐに冷蔵庫へ! □肉・魚は汁がもれないように保管
□冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に設定
□入れるのは7割程度にし、詰め込みすぎない。
ポイント③ ~下準備~
□冷凍食品の解凍は冷蔵庫で!
□包丁・まな板などは洗って消毒しておく!
□生の肉・魚などがついた調理器具はすぐに洗浄・消毒する。
□生で食べるもの(生野菜や果物など)と生肉・魚は離す!
□野菜も水でよく洗う! □ゴミはこまめに捨てる!
ポイント4 ~料理~
□作業前にはしっかり手洗いを! □台所は常に清潔に!
□加熱は十分に火を通す! □調理途中で放置しない!
□レンジでの加熱ムラに注意!
ポイント5 ~食事~
□盛り付けは清潔な器具・食器で! □食事の前に手をよく洗う!
□長時間室温に放置しない!(作り置きのカレーもこの時期は危険!)
ポイント6 ~残り物~
□清潔な容器に保存! □早く冷えるように小分けする!
□時間がたち過ぎたものは捨てる! □温めなおすときは十分に加熱を!
☑がつかなかった項目はあなたのご家庭での危険ポイントです!
ご参考にしながらご家庭での食事作りを見直してみてくださいネφ(._.)
食中毒予防の3原則にプラス!排便習慣
食中毒予防の3原則は、細菌をつけない・増やさない・やっつけるですが、
食中毒を重症化させないためには、日々の排便習慣を見直すことも大切です。
平成8年7月に大阪府で発生した腸管出血性大腸菌O157の集団感染を受けて、大阪府立母子保健総合医療センターでは、食中毒の重症度と排便習慣(1日の排便回数)に関係性があると考え、大規模な調査を実施しました。調査は平成8年7月14日から約3週間、食中毒の疑いで同センターを受診した小学生600名に対して行われました。回答が得られた250名のうち、排便回数が「1日1回以上」と答えた183名では「1回未満」の児童に比べ血便症状の割合が少なく、症状がなかった児童の割合も多いことがわかりました。
つまり、排便回数が多い人の方が症状が軽いことがわかりました。
また、腸内の有用菌が優勢な状態は、食中毒菌といった有害菌の増殖を抑えることがわかっています。腸内フローラを良好に保つことは、腸内環境を整え、腸のバリア機能を強くし、侵入してきた食中毒菌による感染を抑える感染予防につながると言えます。
食中毒を起こさない予防のために、もし食中毒になってしまった時に重症化させないためには、日頃から体調管理に気をつけたり日々の排便習慣を整えておくことも重要ですね。
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