公開日: 2020年3月4日 - 最終更新日:2020年5月1日

教えてヤクルトさん!!ガラクトオリゴ糖ってな~に?

中尾美穂
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こんにちは!GR推進室の中尾です。

今回は、健康に役立つ機能成分として知られるガラクトオリゴ糖についてです。
オリゴ糖の一種であるガラクトオリゴ糖はおなかの調子を整え、便通を改善する効果が期待され、ヤクルト商品の中でも多く使われています。
他の糖質といったい何が違うのか?ガラクトオリゴ糖の特性を知り、より良い腸内環境を手に入れましょう♪

ガラクトオリゴ糖ってな~に?

オリゴ糖は、ブドウ糖や果糖などの単糖が2~10個ほどつながったものです。
galactooligosaccharide_small.jpg
フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖などいくつかの種類があり、野菜や果物などに少量ふくまれていますが、天然食品のみでは、健康機能を期待できるほどの量を摂取することは難しいです。オリゴ糖は糖質であるにもかかわらず、消化吸収されにくいカロリーになりにくい性質をもっています。また、ショ糖と比べて虫歯になりにくい(難う蝕性)のも大きな魅力です。
甘味度はショ糖より低く、さっぱりした甘みです。

おもな種類おもな働きおもな食べ物
フラクトオリゴ糖便通を改善する、高脂血症を改善する、お腹の調子を整える、骨の健康を保つ玉ねぎ、ごぼう、にんにく、バナナなど
ガラクトオリゴ糖便通を改善する、お腹の調子を整える、タンパク質の消化吸収を助ける母乳に含まれている
キシロオリゴ糖便通を改善する、お腹の調子を整える竹の子、とうもろこしなど
ラクトスクロース便通を改善する、お腹の調子を整える砂糖を加えたヨーグルトの発酵過程で、微量につくられる
大豆オリゴ糖便通を改善する、お腹の調子を整える大豆など
イソマルトオリゴ糖お腹の調子を整えるみそ、しょうゆ、清酒、はちみつなど
ラフィノース便通・便性を改善する、お腹の調子を整える、肝機能の強化、免疫機能を高めるビート糖蜜から

引用:見て分かる!栄養の図解辞典(PHP研究所)

 

ガラクトオリゴ糖はおなかのビフィズス菌を増やす

ガラクトオリゴ糖は母乳に含まれているオリゴ糖の一種です。生まれたばかりの赤ちゃんを感染症から守るためにおなかの中のビフィズス菌を増やす働きがあります。
ヤクルトは世界で初めてガラクトオリゴ糖の精製に成功し、健康志向の食品素材として育児粉乳を中心に世界中で広く使われています。

  1. 母乳にも含まれている安全安心な糖質です。
  2. 難消化性でカロリーとして吸収されにくい糖質です。
  3. 大腸まで届いてビフィズス菌を増やす糖質です。

ガラクトオリゴ糖を摂るとおなかの中はどうなるの?

ガラクトオリゴ糖は、人の消化酵素で分解されないため、人はこの糖を体に摂りこむことができません。
このような性質を『難消化性』といいます。小腸で消化されずに大腸にとどいたオリゴ糖は、腸にすむビフィズス菌などの有用菌であるプロバイオティクスに利用され、腸内の有用菌を増やす効果があります。

難消化性でプロバイオティクスに利用されて腸内の有用菌を増やすもののことをプレバイオティクス(食物繊維、オリゴ糖)といいます。

 

飲用試験で排便回数が増加した!

ヤクルトが行ったガラクトオリゴ糖を用いた飲用試験では、便秘傾向のある健常成人にガラクトオリゴ糖5.0g含有飲料を1日1本、2週間飲用した結果、飲用前と比べて排便回数が増加しました。

また、便1gあたりのビフィズス菌数は、飲用前の25億個→395億個約16倍に増加ビフィズス菌の占める割合は、飲用前の3.1%→16.1%約5倍に増加したという結果が認められています。

参考資料:サイエンスレポートNo.22「ガラクトオリゴ糖とその機能性」https://www.yakult.co.jp/institute/report/science_no22.html

乳酸菌シロタ株とガラクトオリゴ糖の役割の違いは?

乳酸菌シロタ株は生きて腸で働く有用菌のプロバイオティクスです。生きて腸まで届き、小腸で働いて、整腸作用と低下した免疫力を高める役割が期待されています。
―方、ガラクトオリゴ糖は小腸で消化されずに大腸に到達し、大腸にすむビフィズス菌を増やすプレバイオティクスです。腸内のビフィズス菌を増やすことで、さらなる整腸作用と腸内の有害物質を減らす効果が期待できます。
小腸では乳酸菌シロタ株、大腸ではガラクトオリゴ糖がビフィズス菌を増やし、その相乗効果で腸内環境を良好に保ち、様々な病気のリスクから身を守ってくれます。
プロバイオティクスプレバイオティクスを同時に摂ることをシンバイオティクスと言います。

プロバイオティクス+プレバイオティクス=シンバイオティクス

シンバイオティクスの利用は、医療の現場においても感染症合併症の予防として様々な領域で使われています。

図:乳酸菌シロタ株とガラクトオリゴ糖の役割

ガラクトオリゴ糖のおすすめの摂り方

ガラクトオリゴ糖は、プロバイオティクスの代表的なものである乳酸菌やビフィズス菌と併用することで、腸内で有用菌に利用され、その数を増やし、腸内フローラのバランスを整えます。
ガラクトオリゴ糖の摂取効果をより高めるためには、プロバイオティクスプレバイオティクスを併用するシンバイオティクスがおすすめです。

シンバイオティクスは医療現場でも使われている

シンバイオティクスは、感染症合併症の予防として、小児外科、消化器外科、救命救急などの医療現場においても利用されています。外科手術後の感染症合併症は、抗菌薬の使用や集中治療技術が向上しているにもかかわらず、現状においても周術期管理の課題の1つです。特に高齢者では、若年層に比べて感染症合併症を罹患すると重症化しやすいため、予防策が重要です。

医療現場における取組事例:サイエンスレポートNo.25「シンバイオティクス療法の有用性」https://www.yakult.co.jp/institute/report/science_no25.html

まとめ

ガラクトオリゴ糖は、普段使っている糖質の代わりとして使用することで、おなかの調子を良くするなど様々な健康効果が期待されます。ガラクトオリゴ糖などのプレバイオティクスは、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスと一緒に摂ることで、互いの役割を助ける相乗効果でより腸内環境を整える効果が期待されます。

ただし、オリゴ糖は摂れば摂るほど効果が得られるわけではなく、逆にあまり多く摂り過ぎると、一時的におなかがゆるくなることなどもあるので注意しましょう。続けやすいタイミング・量で摂りいれましょう!

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中尾美穂

【管理栄養士、栄養教諭】 栄養教諭として学校給食管理、食育指導の経験を経て、2008年に入社。 GR(グットリレーション)推進室に所属し、広報としてヤクルト製品情報やお客様からのお問い合わせ対応、おなかの健康と乳酸菌の関わりについての情報をお伝えしています。主に神戸市西区を中心に、健康お役立ちおもてなし事業のヤクルト工場見学や学校・保育園などで行う出前講座「おなか元気教室」の講師を担当しています。 《得意分野》元気うんちの出し方、おなかの健康づくりのお話
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