今回は、脳腸相関と腸内細菌が関与する「IBS(過敏性腸症候群)」という病気についてご紹介します。
脳腸相関の悪循環に腸内細菌が関与?!
「IBS(過敏性腸症候群)」という病気は腸に異常がないにも関わらず、腹痛や腹部の違和感が続き、便秘や下痢を繰り返し、日常生活にも支障をきたします。日本人の10~15%が罹患しているといわれており、学生や20~30代に最も多く見られます。ストレスが強くなると症状が悪化することから、ストレス関連疾患として知られています。
IBS患者では、脳が不安やストレスを感じると、ストレスの信号が伝わりやすく腸が痛みを感じやすくなります。さらにその刺激が脳に伝わり、苦痛や不安感が増すことが確認され、IBSは脳腸相関の悪循環によって起こっていることが分かってきました。
プロバイオティクスがIBS治療の主流に
近年、ストレスによる腸内フローラの変化がIBSの病態に関わっていることが分かってきました。
IBS患者は腸内フローラが乱れていることが多く、安全性の高いプロバイオティクスで腸内フローラを望ましい構成に移行させようという試みが世界中で行われています。日本でもIBS治療法として、プロバイオティクスが推奨されています。
脳-腸-腸内細菌相関
近年、脳腸相関に腸内細菌が関与していることが分かってきました。脳腸相関をより深く理解するためには、今や腸内細菌は無視できない存在といえますね。
最後に
今まで治療の難しかったIBSは、脳腸相関の研究により治療の満足度もかなり上がっています。乳酸菌などのプロバイオティクスには、IBSに関係する脳腸相関を正常化する役割が期待されています。
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