公開日: 2020年7月20日 - 最終更新日:2020年7月20日

音楽家たちの恋愛模様② 〜恋は盲目〜 【橋本恵史のちょっと歌噺】

橋本恵史
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みなさんこんにちは!

さて今週は「音楽家たちの恋愛模様〜恋は盲目〜」完結編です。

前回の記事はこちらから♫

ベートーヴェンはモテ男だった!?

ベートーヴェンといえばこの肖像画が有名ですよね。

見た目からして堅苦しそう…。

実際に彼の性格は浮き沈みが激しく、癇癪持ちでアルコール依存症。

隣人とのトラブル?なのか、生涯繰り返した引越しはなんと79回

こんな男性と誰が付き合いたいと思いますか???

ところがどっこいこのベートーヴェン、たくさんの女性と恋愛を繰り返し

生涯恋人が絶えることはありませんでした。

外見にも無頓着で「汚れ熊」いうあだ名で呼ばれていたほどのベートーヴェン。

それでもモテるのだから、やはり男は外見ではないということですね!

 

名曲は恋愛とともに

【月光ソナタ】はイタリアの伯爵令嬢で、ベートーヴェンのピアノの生徒であった

ジュリエッタ・グッチャルディに向けて書かれました。

当時ベートーヴェンは31歳、令嬢はまだわずか17歳と、14歳も年下でしたが、

ベートーヴェンは彼女の虜になり、【月光ソナタ】を献呈したのです。

月の光のことなんて、全く頭になかったんですね(笑)

 

【交響曲第8番】は若く美しいアントーニエという女性と恋に落ち、構想が練られました。

彼には珍しく明るく楽しげに描かれた交響曲ですが、このアントーニエは実は既婚者であり

ラブレターのやり取りからも、熱烈な不倫関係であったことが伺えます。

 

【熱情】は、これまたピアノの生徒、ヨゼフィーネに向けて書かれました。

すっかり彼女に魅了されていたベートーヴェン。しかし二人の間には大きな壁が。

ヨゼフィーネは貴族であり、作曲家として大成していても、ベートーヴェンは所詮平民…。

彼女の両親は裕福な貴族でないと結婚を決して認めませんでした。

“あなたにお会いしたとき、決してどのような愛情も抱くまいと、私はかたく決心していました。

しかしあなたは私を征服してしまったのです”

彼が彼女に向けて書いた13通のラブレターの中には、彼女への大きな想いと叶わぬ恋の苦しみが綴られています。

【熱情】には、身分の差から結婚を許してもらえなかった貴族ヨゼフィーネへの激しい想いが込められているんです。

これらのエピソードを浮かべながらクラシック音楽を聞いてみるのも、時には面白いかもしれませんね。

 

おわりに..

ベートーヴェンは難聴で、音の無い世界で作曲を続けましたが、

数々の恋愛体験が彼に音を与えていたことは間違いありません。

 

最後にこんなお話を…

医者になった幼馴染と先日久しぶりに酒を飲んだ。

「最近どう?」

「実は…恋してる…」

「お!ええやん!相手は誰!?」

「実は…立場上許されない恋で…」

「え…?看護婦さんとか?」

「違うねん…実は…か…患者で…」

「患者さん!?別にええやないか!立場なんて気にするな!」

「ありがとう…!勇気でたわ!」

「…あれ?でもお前…獣医やんな?」

 

ああ・・・恋は盲目。

 

 

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橋本恵史

大阪音楽大学大学院、ドイツ・ハンブルグ音楽院修了。テノール歌手として活動する傍ら落語家 桂文枝に弟子入り。「歌曲亭文十弁(ぶんとうべん)」としての顔も持つ。

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